【事典】先祖附

 「先祖附」は、肥後細川藩が藩士に家系を提出させたもの。熊本県立図書館蔵の先祖附によると、明治維新時の藩士だった小林恒太郎の初代に関して、次の記録が残っている。

初代、小林勘右衛門儀、丹波国の者にて御座候。三斎様、丹後国御在城の節、妙庵様、愛宕に御登山遊ばされ候みぎり、 御児小姓として召し出され、数年相勤め候ところ、関ヶ原御陣に付き、 妙庵様、丹後国田辺の御城へお越し成られ候とき、勘右衛門儀御供仕り、 田辺御籠城の節も、御用を仰せ付けられ候旨、承伝申し候。さそうらいて、豊前国にて、三斎様より御知行百五十石を拝領し、 御奉公相勤め候。寛永七年病死仕り候。

 また、別に、冒頭に以下の内容が含まれているものもある。(「綿孝輯録」、小林貞之助家「先祖附」)

先祖は小林民部丞と申す者、伯州山名家の分流にて、丹波国に在城仕り居り候。其後、山名家没落の節、一族、何れも戦死仕り候由。右、民部丞の玄孫、小林丹波と申す者、幼少に御座候ひて、同国篠山と申す所へ引き籠り押し移り居り申し候由、承伝申し候。

カテゴリー: 事典, 戦国, 明治, 江戸 パーマリンク